今回の記事は憧れのパン屋さんのレシピで憧れのパンを焼いてみたい人向けです。
すでにハード系が上手に焼ける方には向かない記事ですので
これからハード系を上手に焼いてみたい!VIRONの粉を使ってみたいけど勇気がない。。。と思っている方の参考になれば嬉しいです。
私はパンを24年作っていますが、独学で全くできなかったのがハード系のパンです。
バゲットは材料がシンプルなので生地の出来や作業工程の差が味に大きく影響します。
本を見て真似ただでけでは
何?このパン???
自分でも何パンができたのか不明。。。そんな事を繰り返すうちに
私にはハード系のパンは作れないと諦めていました。しかし、子育てもほぼ終わり
やっぱりハード系のパンを上手に焼いてみたい!
と思いたち、1年半前からパン教室に通い始めました。教室に通うと
へ〜〜!そうなんだ!
と思う事が多く、いかに自分が無知にパンを作っていたのかを思い知ります。
そして、教室で教えてもらったハード系のパンを復習していくうちに、形は悪いですが美味しいと思えるハード系のパンが段々とできるようになってきました。
パンを作るにあたっては独学でも十分できるパンもあれば、パンの性質特徴を知ったうえで、コツを得てから作らない限りは美味しくできないパンもあると思います。
そこそこハード系も焼けるようになってきたので
20年前に買ったまま一度も作っていなかったVIRONの本のバゲットに挑戦してみよう!
というのが今回の企画です。

VIRONとは
渋谷と丸の内にあるVIRONというパン屋さんをご存知ですか?
バゲットが有名なパン屋さんでいつも行列ができています。
VIRONという店名は
実はフランスにあるVIRON社という粉屋さんの名前から来ています。
VIRONのシェフがフランスで修行時にパン屋さん巡りをしていた頃。。。
この店美味しい!と思ったパン屋さんが
必ずと言っていいほどVIRON社の粉を使っており
日本でもVIRON社の粉を使ってパリで食べたのと同じ味のバゲットを焼きたい!
と思い試行錯誤の末にオープンしたのがVIRONです。
VIRON社はフランスの老舗製粉会社で
パリのバゲットコンクール優勝者のほとんどがVIRON社の粉を使っているそうです。VIRON社の粉がVIRONのバゲットの味と香りを左右する大切な存在である事は間違いありません。VIRONのバゲットはクラムが黄色で気泡が大きく、皮の部分はバリバリとしていて香ばしいのが特徴です。

VIRONの粉の特徴
祖タンパク10.5%、灰分0.55%、レトロタイプのバゲットや焼菓子に最適で硬く香ばしいクラストともちもちとした弾力で口どけのいいクラムが味わえる粉と紹介されています。粉の色は黄色みがありべとつきやすく扱うのが難しいとも記載がありました。
私が普段バゲットを焼く時に使っている粉は「フランス」という粉です。
歴史としては1960年にフランスパンを日本へ広める為にフランス国立製粉製パン学校の故レイモンド・カルベル教授の協力のもと、鳥越製粉が開発し長年パン屋さんにも愛され続けている粉で、粉の豊かな香りと噛むほどに味わい深いコクのある風味、もっちりした食感が特徴と紹介されています。また、とても扱いやすく初心者にもお勧めの粉と記載されていました。因みにフランスの祖タンパクは11.9%、配分0.44%です。
フランスという粉に少しだけグリストミル(石挽き強力粉)を混ぜた、パン教室で教えてもらったレシピで作るバゲットが本当に美味しくて自宅で度々作っているのですが、たまには粉と作り方を変えて違うバゲットも食べてみたくなったのです。そして、もしかしたら上手に焼けるかな?とVIRONのバゲットに挑戦してみたくなりました。

一般的に粉の祖タンパクが11%未満はフランスパンやドイツパンのようなハード系向き、祖タンパク11%〜12%は一般に扱いやすく、食パンや菓子パンなどにも使えます。
また、灰分が高い方がミネラル分が多く小麦の風味が強いパンになりやすく、灰分が低い粉は小麦の風味が軽い仕上がりになります。クラムの色は灰分が高い方がくすんだり黄色くなります。
VIRONの粉は祖タンパク10.5%、灰分0.55%ですので小麦の風味豊かなハード系のパン向きの粉であることが分かります。
捏ねるのはキッチンエイドにお任せ
VIRONのレシピ通りに作ってみたのですが大失敗に終わりました。
作り方としてはオートリーズして本捏ねを行い、生地ができたらオーバーナイト法で焼くというものでした。
本を見ただけでは、粉の性質も捏ね方のコツも理解できていない私には難しく感じました。
写真はまあまあのパンに見えますが、粉の特徴も生かせず、膨らみも悪く気泡も小さく詰まったパンになりました。



そんな経緯で、いつものバゲットの作り方で粉だけVIRONの粉に変更して作り直してみました。
バゲットの作業工程(VIRONの粉・500g)
作業工程 | 発酵種を作る | 休み | 計量 | オートリーズを作る | 休み | 塩・水・イースト・ビタミンCを入れる | ミキシング | 一次発酵 | 分割 | ベンチタイム | 成形 | 最終発酵 | 焼成 |
時間 | 10分 | 6時間〜24時間程度 | 2分 | 40分 | 7分 | 90分 30分毎に2回パンチ | 20分 | 30分〜40分 | 26分〜30分 | ||||
生地環境 | 冷蔵庫 | キッチンエイド | 常温 | キッチンエイド | 発酵器 30度 | 常温 | 発酵器 30度 | オーブン | |||||
条件 | 手に生地が付かなくなればいい | スターモード1 分➕ 4で 1分 | スターモード1分➕ 4で5分 | ①240度で予熱 ②生地をオーブンに入れたらガスオーブンを止める ③予熱焼き6分 ④ガスオーブン設定200度 20分〜25分 |
表を見て頂くとわかるようにキッチンエイドに手伝ってもらうのは2回。
オートリーズを作る時とミキシング時です。
- オートリーズ=スターモード1分➕4モードで1分(粉・水・モルトシロップ)
- ミキシング=スターモード1分(イースト・水・塩・パン種を加える)➕4モードで5分
キッチンエイドがムラなく生地を捏ねてくれるので安心です。フランス粉と比べてVIRONの粉はまとまるのが早く感じたので捏ねる時間は短めです。
粉量500gでバゲットを作る場合の発酵種
100gの粉に0.5gのドライイースト、水60g、塩1gにしました。ベーカーズ%で計算するとイーストの量が少ないですが家庭の冷蔵庫で保管するに置いては庫内温度が高くなり発酵しすぎる事も懸念されますので少なめで良いのではないかと思います。
VIRONの粉で作ったバゲット

いつもの工程、焼き方でVIRONの粉を使って焼いてみたところ見た目はいい感じにできました。
クラストの感じもVIRONの粉独特のバリバリとした香ばしい感じです。だだ。。。


VIRONの粉で作ったバゲットのクラムは気泡が小さく食感もイマイチ、香りについてもう〜ん。。。
全体としてはあまり納得のいくパンにはなりませんでした。
いつものバゲットの方が明らかに状態が良いのが分かりますよね?
食べた感じもいつものバゲットの方が甘くてフワッとしてて美味しいです。
まだ私にはVIRONの粉は早かったかな?という印象です。
次回VIRONの粉でバゲットを作る時は、いつもの作り方で生地を作り、尚且つオーバーナイト法で焼いてみようと思います。
いつかVIRONの粉を使いこなせるように頑張ります!
まとめ
- VIRONの粉はフランスパンやドイツパンのようなハード系のパン向きの粉である
- 初心者が扱うにはハードルが高い、上級者向きの粉
- VIRONの粉で上手にバゲットを焼く事ができたらバリバリとした香ばしいクラストと小麦の風味豊かなバゲットができる
- VIRONの粉であっても、いつもの工程と条件で焼いた方が失敗しない
- 理想的なクラムを作るにはもう少し研究が必要
同じバゲットでも使う粉によってこんなに味と出来栄えが違うと再認識しました。
やっぱりパン作りは奥が深いですね。
最後までブログを読んで頂きありがとうございました。
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